文系だって統計がしたい

文系大学生を想定して統計学の解説をします。

本ブログの目的

「文系」と言われたときに、どのようなイメージを抱くでしょうか。

 

「理科や数学を使わない」というイメージを持つ方も少なくないでしょう。

またそのようなイメージから、数学が苦手だからという理由で文系を選択する高校生も多い。

 

しかし、それは大きな誤解です。

 

もちろん、理科や数学を全く使わない文系学問もあります。

ですが、経済学や心理学、人類学など少なくない種類の文系の学問で統計学、すなわち数学がフル活用されているのです。

 

 

本屋やインターネット上にも、文系学問のための統計に関する書籍やサイトが多数存在します。

一見とても充実しているようですが、これらは原理的、数学的なことに触れずに応用だけに言及されたものか、あるいは完全に数学的な解説に偏ったものかの両極端が圧倒的多数で、その中間となるようなものは多くありません。

その弊害か、統計を活用する分野の多くの文系学生がよく理解しないまま統計分析を行ったりという光景を目にします。これは健全な統計に対する態度とは言えないでしょう。

 

それに加えて、現在ある文系向けの統計学の本の数学的な記述の中には当然のように極限や微分積分偏微分や重積分などが用いられることも多くあり、ほとんどの文系学生が多くとも数学ⅠA・ⅡB、中には数学ⅠA・Ⅱまでしか履修していない者もいるという現状が考慮されているとは言えません。

 

そこで本ブログでは

①文系学生が統計学について学ぶことを想定したうえで、応用に偏るのではなく、数学的な裏付けをできる限り紹介しながら解説する

②高校から大学の接続を考慮して、前提知識を数学ⅠA・Ⅱ(現行学習指導要領)までとし、それより進んだ数学的知識についてはその都度解説する

の2点を心掛けて作成してまいります。

 

さらに「文系学生を想定」とひとくくりにしても、分野によって多種多様な統計学が活用されています。そこで本ブログでは、主に中の人の専攻である心理学に焦点を当て、そこで用いられる基本的な統計学について解説していきます。

 

またこのようにブログの対象を設定することの目的はもう一つあります。平成30年告示改訂学習指導要領では、『統計的な推測』が数学Bで(事実上)必修になります。そこで学ぶ高校生や指導する数学の先生方が本ブログを読むことが、単なる数学的な側面ではなく、特に文系領域で応用される統計学という側面にも触れることができ、より多角的な理解の助けになるでしょう(そうなれるようなブログの編集に努めます)。

 

 

このブログによって多くの方が統計についてよく理解し、統計学、数学の奥深さを知ることを願って、そのようなブログにできるよう努力してまいります。